ⓔコラム7-3-7 K. aerogenes

 K. aerogenesはこれまでE. cloacaなどとともにエンテロバクター属として分離されていたが,その遺伝子学的な特徴からKlebsiella aerogenesとその名称が変更となった1)K. aerogenesは腸内細菌科細菌であり,ヒトや動物の腸管内に常在し,健常者で病原性を示すことは少なく,尿路感染症,院内肺炎,敗血症や手術部位感染症の原因として院内感染症として発症することが多い.カルバペネム系薬に対して耐性を示すことがあり,CREによる感染症は五類感染症に指定されている.2018年の院内感染対策サーベイランス (JANIS) の全集計対象医療機関におけるCREの菌種別分離率においてK. aerogenesは38.7%を占め最多である2)K. aerogenesはAmpC-β–ラクタマーゼ産生遺伝子を有し,ペニシリンや第1世代,第2世代セフェム系薬に耐性を示すが,カルバペネマーゼを産生していなくてもカルバペネムの感受性が低下し,感染症発症時には五類感染症として届け出が必要な場合があり注意を要する.一方でカルバペネマーゼを産生するK. aerogenesも報告されており,薬物感受性のみならず,できればカルバペネマーゼ産生の有無も判断したうえで,抗菌薬の選択と感染対策を行うことが望まれる.

〔浮村 聡〕

■文献

  1. Tindall BJ, Sutton G, et al: Enterobacter aerogenes Hormaeche and Edwards 1960 (Approved Lists 1980) and Klebsiella mobilis Bascomb et al. 1971 (Approved Lists 1980) share the same nomenclatural type (ATCC 13048) on the Approved Lists and are homotypic synonyms, with consequences for the name Klebsiella mobilis Bascomb et al. 1971 (Approved Lists 1980). Int J Syst Evol Microbiol, 2017; 67: 502–504.

  2. 厚生労働省院内感染対策サーベイランス検査部門公開情報2018年1月〜12月年報.https://janis.mhlw.go.jp/report/open_report/2018/3/1/ken_Open_Report_201800.pdf